デリバティブと呼ばれる金融商品

2011-06-09

通貨オプションとカレンシー・スワップは、デリバティブと呼ばれる金融商品です。デリバティブも上手に利用すれば有効なリスクヘッジ商品となります。オプションとは将来のある時点にあらかじめ定めた価格で特定の商品を売買することのできる権利のことです。オプションはオプション料を支払うことによって取得することができます。オプションには、対象となる商品を購入する権利であるコール・オプションと売却する権利であるプット・オプションがあります。具体的には、ドル・円の三ヵ月物のドルのコール・オプションの買い手は、オプション料を支払うことによって、あらかじめ定めた相場(例えば一ドル=一二○円)で、ドルを買う権利を持っています。先物取引と異なり、オプションの買い手はこの権利を行使しなくてもよいのです。プット・オプションの買い手は、逆にオプション料を支払うことによって、あらかじめ定められた相場で、ドルを売る権利を持っています。具体的な例を一つ示しておきます。ある企業Aが一〇〇万ドルの輸出契約を締結しました。契約は六ヵ月後にドル代金を受け取れることになっています。この企業はドル相場が高くなる可能性が高いと思っていますが、同時に最低の採算点は確保しておきたいと考えています。最低の採算点とは、企業がこれ以下の相場でドルを売れば損が出てしまうドル相場です。以下の例では一〇一円としてあります。ドルのプット・オプションのオプション料は四円としておきましょう。この時の先物相場を一〇八円とします。もし為替先物予約でドルを売れば受取金額は以下の通りとなります。先物為替での円貨額確定一〇〇万ドル直物相場=一一〇円六ヵ月後の先物相場=一〇八円受け取れる円貨額通貨オプションを利用してのヘッジオプションの額面金額=一〇〇万ドルオプションの行使価格―一〇五円オプションの行使時期=六ヵ月後オプション料=一ドルについて四円(額面一〇〇万ドルなので、四〇〇万円)受け取れる円貨額=オプションの場合、六ヵ月後のドル相場次第で受け取れる円貨額は変化します。(1)ドルが下落した場合=ドルが一〇五円以下に下落すれば、A社はオプションを行使します。その時は円貨で一億五〇〇万円が受け取れます。オプション料を差し引いたネットの受け取りは一億一〇〇万円となります。(2)ドルが上昇した場合=ドルが例えば一二〇円になれば、A社はオプションを行使せず、その時の直物相場で円に交換します。受け取れる円貨額は一億二〇〇〇万円ですから、オプション料を差し引いたネットの受取は一億一六〇〇万円となります。この例では、ドルのプット・オプションを締結したことで、ドルがいくら下落したとしても、A社のネットの受取額は最低でも一億一〇〇万円が、保証されたことになります。一方、ドル相場がA社の予想したように上昇すれば、A社は先物為替取引でヘッジした場合よりも多額の円貨額を受け取れることになります。オプションは、リスクを限定しつつ、有利な為替相場変動からは大きな利益を得られるので、今や企業の為替リスクの管理にはなくてはならない取引となっています。