「新線・新駅」が「将来性のある場所」で、「駅近、大規模、再開発」が「値下がりしない物件」の条件ならば、三拍子も四拍子も揃ったTX沿線や日暮里・舎人ライナー沿線の物件が売れ残っているのはなぜなのでしょうか。一般に新線・新駅周辺の土地は、開発計画が出た瞬間から値上がりします。含み益が発生するという思惑で業者の買いが入るからです。しかし、開業した瞬間がピークで、そこで売り切らないと、熱が冷めた後にアッという間に下落してしまう恐れがあるのです。不動産会社の営業マンは「将来有望」といいますが、いったい何年先のことを想定しているのでしょうか。そもそも物件が売れたら業者は撤退し、あとは知らぬ存ぜぬを決め込むのが常です。新開発された街が成熟するまでには10年、20年の歳月がかかります。いやもっと息の長い話かもしれません。それまで待てるならともかく、日々の生活を大切と考えるなら、すでに成熟している街を選ぶに越したことはありません。すでに街が形成され、人口も増え始めてから新駅ができるケースなら、まだ可能性はあるかもしれませんが……。この新線・新駅と同様の理山では、郊外の大規模ニュータウンについても注意が必要です。何もない丘陵地や原野を開拓して一から住宅地を造成する場所だけに、デベロッパーのプランナーにとってはやり甲斐のある壮大な計両に違いありません。広い道路や整備された街区にデザインを統一して景観に配慮されたマンション、街路樹や公園も計画的に作りこまれた美しい街並みは、見学に訪れた人の夢を膨らませるでしょう。もちろん、宣伝文句は「将来性のある、夢のある街」というわけです。