アメリカでの生活には、車は必需品だ。その必需品を購入するには、歩合制で働く自動車販売ディーラーと交渉する必要がある。しかしディーラーの乱立により競争は激しくなるばかりで、車を売るためには手段を選ばないセールスマンが増え、ディーラーの評判は最悪だ。消費者の多くは、できることならそうしたセールスマンに接することなく車を買いたいと思っている。オートバイテルのようなオンライン自動車販売業者の登場は、消費者にこうした不愉快な思いをさせずに車を購入できるようになった。オートバイテルでは、全米のディーラー2700店と組み、オンラインによる自動車購入システムを構築。購入者が買いたい車に関する情報を得られるよう、車の性能やスペックから、小売価格、卸価格、事故率やリコール状況まで調べられる自動車関連サイトとリンクしている。中古車専門のコーナー「サイバーストア」もあり、ここで扱うのは、一定の基準を満たした保証済みの中古車だ。3ヵ月保証、72時問以内であれば、払い戻しも受けている。さらに、銀行やローン会社と提携して、ローンも組めるようになっており、オンラインでローンを申し込むと、数分以内に電子メールで回答が得られる。自動車保険もオンラインで購入でき、まさに、自動車購入のすべての手続きが同じサイトで完了するワンストップ店といえる。消費者が、これまでより低価格で、不愉快なセールスマンに接することなく快適に車を買えるようになっただけでなく、このシステムは業者側にも大きなメリットをもたらした。ディーラーはセールスマンを固定給で雇うことができるようになり、今までの脅迫まがいの売り方ではなく、もっとソフトな売り方が可能となった。また、経費の63%を占めるといわれる広告費と人件費も大幅に削減できる。従来のディーラーの経費は、新車を一台売るのにマーケティング200〜300ドル、人件費800〜1100ドルで、計平均1000ドルかかっていたが、オートバイテルでは190ドルで十分としている。オートバイテルの会員ディーラーには、コストを7割も削減しながら、売上げを4割伸ばしたディーラーもあるほどだ。オートバイテルの創立者、ピーター・エリスは、南カリフォルニアで16のディーラー店舗を構えていたが倒産。1500万ドルと2軒の家を失った後、インターネットを用いた自動車販売を思いつき、95年にアパートの寝室でサービスを開始した。同社の成功を聞きつけて、米国内メーカーだけでなく、フィアットやボルボが、わざわざ本社から視察に来たそうだ。しかし、将来、自動車メーカーがオートバイテルと同様のビジネスを展開することに対して危機感は感じていないと豪語している。
[参考サイト]
失敗しないネットショップ開業術