近年、衣料品は「売れないモノ」の代表選手と言えるかも知れない。たとえばわが国の衣料品に対する消費支出は、この20年で半減近くにまで縮小している。衣料品の支出額と消費支出全体に占める構成比は、91年をピークに一貫して下がり続けていることが分かる。さすがにここ数年はやや下げ止まり傾向にあるものの、衣料品支出額は直近05年度も16万1280円と89年以降の過去最低を更新。ピーク時91年の約29万円に比べ、実に45%もの激減ぶりだ。ではなぜ、衣料品市場ばかりこれほど派手な落ち込みを見せるのか。衣料品価格が低下し続けているからである。つまり衣料品の大幅な単価デフレだ。数量(購入枚数)そのものがそれほど減っているわけではない。だから「衣料バブルの崩壊」と言い換えてもいいだろう。思い起こせば1985年9月の「プラザ合意」以降、日本は激しい円高に見舞われ、国際競争力を維持しなければならない製造業は、一斉にコストの安いアジアに生産拠点を移動した。もちろんアパレルメーカーも同様である。