当時、私のところには難を逃れた資産家や経営者の友人から質問が殺到しました。彼らへの回答は「とにかく急いで金。しかし、資産の分散には今後、長期的に安定して運用する不動産がいい」でした。賃料の硬直性が高い不動産投資は、じつはペーパーマネーが弱くなったときにこそ力を発揮します。歴史的に見ても、長きにわたって資産家であり続ける人は例外なく、不動産を所有しているものです。これは、現預金や債券・株式といったペーパーマネーと性格や動きの異なる資産を保有し、バランスをとることで、リスクヘッジをしているのです。
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私が彼らにすすめた不動産投資とは、もちろんキャピタルゲイン(売買益)狙いではありません。時間をかけ、安定したインカムゲイン(家賃収入)を得ることを目的とするものです。キャピタルゲインとインカムゲインについて、これまでごく簡単に触れただけでしたが、ここでもう少し整理しておきましょう。(1)キャピタルゲイン購入した不動産を売却するとき、購入時の価格よりも高く売れた場合に得られる売却益。もし、2000万円で購入した不動産を2500万円で売却できたら、その差額500万円がキャピタルゲインとなります(税金等は除く)。反対に、購入時より安くしか売れなければ、その差額がキャピタルロス(売却損)になります。(2)インカムゲイン購入した不動産を売却せず、保有して運用することで、月々に得られる賃料収入のことを指します。運用する不動産の賃料が8万円であれば、その8万円がインカムゲインです(経費等は除く)。投資した金額、つまり元本に対するインカムゲインの割合を「利回り」といいます。不動産投資の収益性のよし悪しは、この利回りによって判断します。