日本ではなんの制約も受けなかったマンガが英訳されるにあたって問題になり始めたのが2004年。アメリカの最大手ランダムハウスが講談社との提携を発表して、SFやファンタジーで知られていたデルーレイというインプリント(出版レーベル)がマンガに取り組み、これに続いてサイモン&シュスターが、小学館と集英社のマンガを中心に出しているコミュニケーションの販売元となり、ハーバーコリンズが提携することになったあたりだろう。大手であればあるほど、性的・暴力的表現を含むものに対して、厳しく自社でチェックするようになる。いったん刊行されてから、行き過ぎた表現があると指摘されてしまったときのダメージ(回収費用、評判)が大きいからだ。少しでも怪しい表現があると、問題になったり、それでも著者が書き直さないとなると「シュリンクラップ」(ビニール包装)と警告ラベルでガチガチにガードしなければならない。